雇用契約書を締結していますか
こんにちは社会保険労務士の早田晋一です。
さて、今回のテーマは「雇用契約書」です。皆さまの会社では、従業員との間で雇用契約書を締結していますか。中には「実は雇用契約書を結んでないけど問題は起こってないし、今さら契約書なんて…」というところもあるのではないでしょうか。
就業規則は、従業員全体の集団に対して共通の条件を定めているのに対して、雇用契約書は個別の従業員との間の条件を定めたものになります。職場では、お仕事内容や労働条件の異なるさまざまな従業員が働いています。それぞれの従業員に沿った個別の条件を定めた雇用契約書も重要になってくるのです。
会社経営や日常生活でも、大きな取引を行う際には、契約書にしておく方が安心です。契約書をつくる目的は、契約の内容を書面に残しておきルールが誰から見てもわかるようにしておくことで、トラブルを防ぐためだと思います。
従業員を雇用するということは、一人だけでも年間数百万円の金額になる大きな契約の一つです。雇用契約についてだけ契約書を残さないというのもおかしな話ですよね。
ただ、雇用契約書については、労働基準法その他の法令で締結しなさいとまでは言われていません。法令では、従業員に対して、労働条件を定められた方法でしっかりと明示しなさいということが書かれています(労働条件の明示)。明示すべき事項とその方法は次の通りです。
労働条件明示の方法については、原則は書面ですが、従業員が希望した場合には、次のような方法をとることもできるようになっています。
① FAX
② Eメールや、Yahoo!メール、Gmail等のWebメールサービス
③ LINEやメッセンジャー等のSNSメッセージ機能 等
雇用契約は会社として従業員と締結する重要な契約の一つです。労働条件は雇用契約の重要な内容でもあるので、会社としては、自らを守るために「雇用契約書」として両者が確認した形をとっておくべきだと思います。それによりお互いの無用なトラブルを防止する手段にもなるのではないでしょうか。