一般社団法人福岡労務監査推進協議会

IPO支援

IPO支援

IPO上場申請においての労務の重要性

IPO審査では、主幹事証券会社による引受審査と証券取引所による上場審査において「上場企業として適切な経営体制が整っているか」が審査されます。特に近年、働き方改革関連法の施行に伴い、人事労務・労働分野のコンプライアンスについては最重要視されており、この分野が不備では上場申請は通りません。

労務リスクの具体例として多いのは「未払い残業問題」です。その他にも、「過重労働問題、社会保険・労働保険の適正加入、就業規則その他規程の整備」などが重要なポイントとなります。また、IPO上場申請を目指す企業には、法令遵守以上のものが要求されます。収益や財務状況に問題がなくても、労務管理に問題があり、株式公開ができない、もしくは延期せざるを得ないという不測の事態を防ぐためにも、事前に労務監査・労務デューデリジェンス(DD)を行い、労務整備をしておくことをお勧めします。

上場審査時によくある労務のトラブル

上場準備段階にある企業様にとって、特にスタッフの勤務管理には慎重になる必要があります。上場申請時によくある労務のトラブルとして多いものを紹介します。

未払い残業代に関して

スタッフの毎日の労働時間を適切に把握、管理できていない会社や、固定残業代やみなし労働手当、年俸制や裁量労働制のほか、変形労働制など法律や判例の要件を満たさないまま独自のルールで運用している企業はけっして少なくありません。知らぬ間に未払い賃金が発生しており、審査の際にそれを指摘されてしまう可能性があります。賃金の未払いは大きく分けると以下の3つが該当します。

  • 従業員の労働時間や残業が把握できていない
  • 間違った残業代の計算がされている
  • 年俸制や裁量労働に関する誤った認識

未払賃金が発覚すると、すでに退社済みのスタッフも含め、賃金等請求権の時効となる2年前まで遡及しての支払いが必要になり、大きな負担となります。また、働き方改革関連法の施行により、罰則付き時間外上限規制が課される(中小企業は2020年4月施行)、中小企業の月60時間超の割増賃金率適用猶予が廃止(2023年4月から)されるなど、更に未払賃金の問題は厳しく取り扱われることとなります。厚生労働省のガイドラインなども参照し、適切な時間把握などに取り組む必要があります。

規則類の整備と運用状況

創業当初からの意識が薄れ、いつの間にか就業規則と実際の状態とが違ってきているケースも少なくないでしょう。もちろん、規則の整備状況や法令に違反しているなど、内部管理体制が整備されていないと判定される場合は審査を通過することはできません。就業規則は管理体制の柱となるものですので、テンプレートをコピーしたものではなく、自社の実態と合致したものを整備する必要があります。

社会保険の適切な加入状況について

アルバイトやパートタイムを含めた時短従業員に対しても、一定条件を満たせば社会保険に加入する義務があります。ちょっとしたミスや対象者を加入させていない場合は法令違反となり審査を通過することはできませんので、しっかりとチェックしておく必要があります。

上場申請までの準備期間とスケジュール

一般的なIPOのスケジュール
一般的なIPOのスケジュール

IPO実現には長い準備期間が必要であり、すぐにできるものではありません。一般的には株式公開の3年以上前には準備を始めるのが理想的といわれています。IPO準備企業の労務整備についても、直前期には完了している必要があります。労務整備には約1年の時間を要しますので、直前々期には労務監査を行うことがお勧めです。まずは現状を把握し、問題点と改善策を考え、実際に体制構築へと進めましょう。IPO実現のためだけでなく上場後も長く続けられるような基盤を作るためにも、じっくりと時間をかけ、きちんとした体制を整える必要があります。

1.準備
株式公開の3年以上前には準備を始めるのが基本です。社内管理体制、経営規模、事業計画などに問題点はないか、まずは現状を把握していきます。
2.計画
現状把握から問題点を探し、会社の規模や将来の会社のビジョンと照らし合わせながら改善プランを立てます。
3.体制構築
前段階でのプランをもとに、実際に体制を構築していきます。個人的経営から組織的経営のための経営管理体制を意識して構築します。
4.審査準備
株式公開の審査に向けて、関係書類を用意するなどの具体的な準備を進めていきます。この段階までには、証券会社や監査法人を決めておきます。
5.審査
主幹事証券会社の審査・推薦を経て、取引所への上場申請を行った後、申請書類の審査、ヒアリングや事業関連施設の調査に対応しながら3か月程度で審査されます。審査に通過すれば株式公開、つまり上場となります。
6.株式公開
証券会社によるブックビルディングなどを経て公開価格が決まり、株式公開となります。IPO後はIR活動などにも積極的に取り組みましょう。

サービス内容

  • 労務監査(デューデリジェンス)の実施
  • 主幹事証券会社との交渉・連携
  • 監査報告書及び改善計画書の作成
  • IPOに向けた人事制度の整備支援
  • 未払残業代(過去勤務債務)の概算算出
  • 組織・人事戦略の策定
  • 就業規則等の各種規程の整備・改訂
  • 勤怠管理ツール改善、システム導入支援

など

料金について

料金については、個別にお問い合わせください。
参考例:50名規模の労務監査またはDD 基本料金として300,000円~(税別)

経験豊富な社会保険労務士がIPO実現に向けての支援を行います

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